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【ゴーン被告の会見にみえた】AI自動翻訳のおもしろ文章まとめ

2020/11/24
 
AIと人間
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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。

はじめまして、フリーランス通訳者のNaaです。

通訳にもいろんな形がありますが、最近でいうと「ゴーン被告」の同時通訳が印象に残っている方も多いのではないでしょうか記者会見の内容を生中継で配信するために、「AI(あい)ぽん」という自動翻訳機が使われていたのですが、これがまたスットコどっこいな仕上がりで..。今日はゴーン被告の会見にみえたおもしろ翻訳をまとめるとあわせて、「通訳の大変さ」と「通訳の仕事はなくならない理由」も解説していきたいとおもいます。

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 同時通訳者って、とにかくすごい

テレビ会議通訳の大変さ

カルロス・ゴーン被告の会見で、同時通訳さんが交代で「LIVE通訳」をおこなっていましたものすごい早口でまくしたてる彼の言葉を、ほぼ同じタイミングで正確に訳していくのですから圧巻です。ちなみに途中で登場したAIぽん (AIの自動翻訳機)はほとんど役に立っていませんでしたから、

  • どんな言葉 (方言なども) も聞き取って、
  • ニュアンスを瞬時につかみ、
  • スピーカーの言葉を聞き覚えながら、
  • 違う言葉にはじから訳していく

まさにマルチタスクの最高潮、あれ以上に美しい仕事があるでしょうか..。職業柄か、ゴーン被告の会見より、同時通訳者さんのことが気になって仕方がありませんでした。

 

ゴーン被告の会見にみえる、”機械通訳”の限界

テレビ会議通訳の大変さ(ゴーン被告の記者会見より)

これが巷で噂の「ゴーン被告」の記者会見、一番下のリアルタイム自動翻訳をちょっと見てみてくださいたくさんの日産ドッカンブーストして…」「レバノンの友達入れ歯の子が森のモテる人物カルロスゴーン氏です….」もはや何が言いたいのかもわかりません。

ゴーン被告のおもしろ字幕にみる、同時通訳の大変さ(ゴーン被告の記者会見より)

というのも、翻訳機器の仕組みは、

  1. 話された言語を文字に起こして
  2. 起こされた文字を、他の言語に訳していく

そうで、どっちかが間違ってると、このように大変なことになってしまうんですね。辞書を丸呑みしている機械であっても、まともな文章ができないのに。人間の脳といいますか、同時通訳者の方ってホントに凄いです。

ゴーン被告の、おもしろ翻訳

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通訳の仕事の大変さと、醍醐味

テレビ会議通訳の大変さ

ここ数年はテレビ会議が浸透してきており主にZoomや、Skypeなどをつかって、3人~8人ほどで会議をひらくのですが、私がはいるものはカメラなしの場合が多いです。でもですね、これも意外とハードルが高いのです。

  • 相手の表情がみえない
  • 回線が物理的に、途切れまくる
  • 身振り手振りのジェスチャーが使えない
  • つまり、言葉で「目的と意図、ニュアンス」をすべて伝えないといけない

テレビ会議通訳の大変さ

神経を研ぎ澄ませて聞きながら、反射で訳していくのですが、ものすごく体力を消耗します。プロの同時通訳者と一緒にするのは恐れ多いのですが、同時通訳者の方は数十分ごとに交代、チョコレートなどで糖分補給をすると聞いたことがありますが、やっぱり相当なエネルギーを使うのでしょう

会話を聴きながら日本語脳、英語脳、思考脳をすべて同時にフル回転させるわけですから、それはつかれますよね..。ものすごい重い会議に1時間参加するだけで、残りは使いものにならないくらい、くったくたになります。

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プレッシャーはあれどやっぱり楽しい「通訳という仕事」

テレビ会議通訳の大変さ

でもですね、裁量権が大きい人の集まる会議にはいるって、やっぱりおもしろいんです。普段じゃ聞けないような会話があったり、 新しいビジネスがはじまる転換点に出会えたり、「すごく貴重な経験」ができるのが醍醐味だとおもいっています。(もちろん秘密厳守なので、内容はどこにもいえませんが、結構おもしろい現場をみてきています)

そのぶんプレッシャーも、緊張感もあります。でもどちらにせよ、どんなポジションについても日々鍛錬が必要なわけですから、四苦八苦しながらも、実際の現場で「経験」をつんでいけるのはうれしいものです。それがおもしろいから、延々と勉強する毎日でも続けていけるのかもしれません。

 

なぜ「AI通訳」は人間のかわりにはなれないのか

テレビ会議通訳の大変さ

さてさて結論にはいっていきましょう。たとえば「ハシ」という言葉をひとつとっても、「橋」と「端」「箸」といろんな意味がありますよね人間は文脈で理解していきますが機械には「ハシ」がどれをさすのかわからないんですね。あと人によって話し方の癖や、アクセントもありますので、機械が「聞き間違い」をしたらその時点でアウトです。

ゴーン被告がLebanon friends (レバノンの友達)」といったときも、機械にはLebanonがMelon (メロン)」と聞こえたらしく、日本語訳は「メロンの友人のみなさんにも」となっていました。

テレビ会議通訳の大変さ(ゴーン被告の記者会見より)

一文字間違えるだけでとんでもない訳になってしまうんですね

テレビ会議通訳の大変さ

AIぽんの字幕をリアルに使ったことで、「通訳者はやっぱりいつの時代も必要だ」と感じた人も多いのではないでしょうかそれに人が話すと切迫感もでますし、印象的にもまったくかわってきますね。

 

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あとがきにかえて

【終わった後はクタクタ】テレビ会議の通訳ってホントに大変

というわけで、記事をまとめますと

  • 通訳にもいろんな形があり、なかでもテレカンは難易度が高い
  • 適度なプレッシャーは必要、レベルアップするチャンス
  • AIは同時通訳 (プロ) には、全くかなわない
  • AIより何よりすごいのは人間の脳

ということでした。世の中色々な仕事がありますが、語学はとくに「終わりのない」というか、一定をこすと「マニアック」な領域にはいっていく気がしています。

「利益を出す」という表現ひとつとっても、make profitではなく、generate profit のほうが「利益をなんとかして生み出さないと」といったニュアンスが伝わるとか。try(やってみます)より、aim to (目指します)のほうが、やる気が感じられたりとか。そういった細かいニュアンスを頭に刻む毎日です。終わりがないから、楽しいんですけどね。それにやればやっただけ、想像できなかった世界が見られるんですから、やりがいがあるなある、と日々勉強です。

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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。
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