英語の三単元にはなぜSがつくの?【例文とあわせて徹底解説】

はじめまして、通訳・翻訳のNaaです。
今日の取り上げるのは「なぜ三人称単数(現在形)は、動詞の後ろにSがつくのか」です。言語は人に思いを伝える手段ですからルールがあるときは必ず背景があります。理由を探りながら使い方をマスターしていきましょう。
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そもそも、3人称ってなに?
英語を話すときに必須の「主語」、そのなかのひとつが三人称です。
これだけ覚えればOk、主語3パターン
ざっくり分けて、主語には3パターンあります。
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これを時と場合に応じて使い分けるのですね。
『三人称』は、自分と相手以外の登場人物
三人称は、③のHe/She/その他をさします。一見ややこしく聞こえますが、第3者かつ単数というのは自分と相手以外の登場人物のことで、事象も対象となります。例えば、こういったものが3人称です。
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具体的な使い方
たとえばアメリカの大統領トランプさんの話しをする時は、主語3タイプのうちどれに当てはまるでしょうか?トランプさんはここにはおらず、話し手でも聞き手でもないので『第三者』に区分けされます。
- 「トランプさんは野球をします」という文章を英語に置き換えていくと、
- Mr. Trump (トランプさんは) します(Play)野球を(baseball)
となります。
でもまだ完成ではないのですね。
『主語は三人称』で『時制は現在』ということは…?
そう、あのルールが適用となり動詞(Play)にSがつきます。完成した文はこちらです。
Mr. Trump plays baseball. (トランプさんは野球をします)
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なぜ三人称にはSがつくの?
それは800〜900年前のこと。初期の英語は、動詞にも今以上に多くの複雑な規則があったそうです。しかしノルマン人の征服後数百年はおもに「フランス語」が英語にかわって、貴族間で使われるようになりました。そして英語は『庶民が使う言語』として浸透していったのです。
しかし庶民にいたっては、きちんとした教育を受けているのはほんの一部です。そのため何百年とかけて複雑なルールは徐々に薄れていき退化していきました。つまり『Sをつける』『変形させる』などのルールは、誰もが使いやすいよう人々が使い何百年と継承され磨かれていった結果なのですね。
英語は庶民向けに、簡略された言語だった!?
ちなみにスペイン語、ドイツ語、フランス語には、まだ複雑な活用が残っているのです。なんとスペイン語は、主語に応じて一般動詞が変わります。どれだけ英語の活用がカットされているか、わかりやすく比較してみましょうか。
『探す』はスペイン語で(Buscar)といいますが、なんと現在形の活用だけで6パターンもあるんです。
- Yo (わたしは) Busco
- Tu (あなたは) Buscas
- El/Ella(彼は/彼女は) Busca
- Nosotros/Nosotras(私たちは) buscamos
- Vosotros/Vosotras(君たちは) bucais.
- Usted(あなたがたは)buscan
それに比べて、英語は、現在形の活用は2パターンだけ。
- I/you (わたしは/あなたは) look for
- She/He/その他三単現 (彼は、彼女は) looks for
個人的には、余分な部分をカットしてくれた人たちに感謝です。
う~ん、庶民の間に広がってくれてよかった。
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まとめ
というわけでまとめます。なぜ英語では主語が三人称・単数・現在形の場合、動詞にSがつくのか、
- そもそも英語は、主語によって動詞を変えるお洒落な言語だった
- しかし、歴史的理由により、庶民が「英語」を使うことになったため
- 難しい変形やルールは、どんどんカットされて、
- いまのシンプルなルールだけが残った
ということでした。これをみて、2パターンだけなら覚えてみるか、と奮起してくれるひとがいたら幸いです。言語は人に思いを伝える手段です。なので、ルールがあるときは、必ず裏に背景があります。そこのところを紐解いていくとおもしろいかもですね。
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