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通訳をしてきて、ワースト3に入る苦手なクライアントのお話

2021/04/30
 
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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。

どこの会社にも業界にも嫌なお客さんや上司といった人はいるものですが、通訳をしていて「苦手だな」「嫌だな」と思うクライアント様ももちろんおります。今回ご紹介するのは社内通訳者になって2年目の冬、世の中の世知辛さを痛感したお話です。

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思い通りにいかないと怒鳴りだす社長

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

ある社長さんの通訳に入ったときのことです。

事前の打ち合わせはたったの15。希望着地をきいて資料は前日にもらい、相手の会社の背景も調べて望んだのですが、いざ会議になるとまったく話しが進まない…..。そもそもアジェンダもなく「何を話すか」を社長も相手も私も把握していなかったからです。

そこで社長はイラつき始めます。

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

そして何を伝えても「意訳しないで、そっくり言ってくれよ (チッつかえねえな)」と言われ、「あのね、君は理解しようとしなくていいから」とバッサリ。「もういいから、一緒にビジネスをするスタート地点にたちたいって伝えろ」、といわれ”I want to reach the starting point” と訳す…. 

抽象的すぎて相手は、もちろんわからない。でも具体的に伝えようとすると「婉曲するから余計なことを話すな」と怒られる。そんなかんじで全く中身のない会議を終え、社長は禁煙のはずのミーティングルームで煙草を吸い出し不機嫌な様子で去って行きました。むしろ、話し合いたいことをアジェンダにしておいて、具体的に掘っていかないなら、メールでいいとおもうんですけどね。

 

考えるほど腹がたつ、ワンマン社長の押し付け業務

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

普通に考えれば、目的って「商談が成立すること」であって、その場で通訳を脅しても、なんのメリットもないのです。言葉を話せば自動変換できるとでも思ってるのかなとおもいました。(だったら、ヤマダ電機にでもいってポケトークかったらいいとおもうんですが… )

相手もびっくりしたのかポイントを絞ってメールで、具体的にかいてもらえますか?て社長がつくった日本文をそのまま英語に直訳したわけですよ。でも彼はそれを送っておらず、翌朝先方からさきにメールが届きました。そこにはしっかりと私が伝えたことを理解してくれた先方様が、本質であるポイントをきちんと箇条書きでかいてくださっていたのです。会議でも大切なのは『本質が伝わること』で、『一字一句正しく伝えること』ではないのです。

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わざと、あてつけのように嫌味をいう

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

さらにそのあとの社長のメールをみて驚愕しました。この社長は相手企業のメールも見落として、昨日私に作らせたメールを同じようなタイミングで送っていたわけです。それに、冒頭にこんな文章をつけて。

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろThank you for the teleconference yesterday.And I’m sorry that our translation did not good work in this teleconference.  We will prepare a specialized translation for the next meeting at Hong Kong office.

昨日のテレカンありがとうございました通訳がいい仕事ができていなくって、本当にすみませんね。香港でミーティングをするときには、ちゃんとした通訳を用意しますから。

これを私が作った文書の冒頭に、太字でいちばん最初にこの文章をいれるって…. 。というか、自分がアジェンダを作っていなくて内容がない話しをしたために、会議が進まなかったわけでなんで全部「通訳者」のせいみたいになっているのか憤りが止まりませんでした。

 

なぜあえて不機嫌アピールをしてくるのだ

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

この文章からは、

  • 会議がチンプンカンプンになったのは、俺のせいじゃないよ (通訳が悪くてごめんね)
  • だから香港にいったときは、(ちゃんとした)通訳をつけるし
  • 昨日のテレカンは忘れて、これからもっと話そうね

っていう含みがプンプンするわけです。もちろんそれとなく、サポートしてっていうのが通訳の仕事かもしれませんが。それも事前資料や情報、現場での協力があってこそです。あなたの抽象的な物言いを、ベストを尽くして通訳してたのに、なんていう責任転嫁..「つたわらなかったことを、私のせいにすんな」とはらわたが煮え繰り返る思いでした。え?ですよ。秘書も私もびっくりで、空いた口がふさがりませんでした。これはほとんどタダ仕事のボランティアでしたので、もう二度とこの人と仕事をしたくない、と思ったのでした。

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あとがきにかえて

思い通りにいかないと怒る人の心理 いったいどういう神経してるんだろ

おそらく社長には「自分の意見が絶対」という何かがあって、自分のなかで筋書きが出来上がっているのでしょう。そして「譲りたくない何か」に茶々を入れられたり、横槍がはいったりすると感情が乱れるんですね。内容云々より途中から、

  • 俺の貴重な時間をどうしてくれるんだ
  • 俺のいった通りに、どうしてできないんだ
  • (お前の意見より)、俺の意見のが重要なんだ

といった気持ちが前に出てきたのかな、とおもいました。

ちなみにこれは営業部の社内通訳を勤めていた時に、人材が足りないと社長室へお手伝いへ行った時のお話しでした。営業部の一部としてヘルプにいった (のちにその案件はこっちに降りてくる) ときのことで、理不尽なことがその他多々あったわけですが。それは結局組織に属していたときのお話です。独立して通訳する場合はクライアント様が「一語一句直訳して」と言われた場合はどうしようか…. なかなか全てのニーズに答えるのは難しく、こういった相性を無視すると逆にお互いストレスになるので、お仕事を引き受ける前にしっかり相性といったところもみて行った方がお互いのためなのかなとも思ったのでした。

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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。
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