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【通訳ブログ】仕事現場のリアルと、通訳時の厳しい本音

 
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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。

はじめまして、フリーランス翻訳者のNaaです。

通訳について、いつもは社内訪問対応・またはテレカン(スカイプやZoomを使ったテレビ会議通訳)がメインですが、先日は相手の会社への商談へ同行するという貴重なパターンも経験しました。良い機会なので今日は「リアルな仕事の様子」と、「通訳時の本音をご紹介したいと思います。

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リアルな通訳の現場をストーリー仕立てで

いきなりくる通訳依頼

前日にいきなり会議通知が送られてきた。場所は先方の住所が書いてあって、会社名も内容も全く聞いたことのないものであった。担当していたらしきシンガポールの同僚にきくと、

SIN同僚「I heard you are joining instead of me.(え、Naaちゃんが私の代わりに出るって聞いたけど)

わたし「Hmmm…….but I haven’t heard of it…(え、何も聞いていない)

営業「え、ぼくも通訳にはNaaちゃんがきてくれるってきいたけど

というわけで、部長にきいたら、

部長「あっ、連絡遅れてごめんなさい、そうなんですお願いしたく何とぞ….!」

とのことだった。

 

重要案件でなければ、担当通訳のアサインは結構適当

どうやらシンガポールの同僚は、コレポン(メールでのやり取り)の補助をしていたらしい。しかし彼女には自身のプロジェクトがあるので、「だれかほかに…あ、いた!」という感じで私が選ばれた

会社にもよると思うが、相当な重要案件出ない限りこういったドタバタは結構ある。また本来入るはずのない、他の部署の会議に「念のため…何かあった時のため..」とアサインされることもある。柔軟に対応できる力はどこにいっても役に立つ。

 

欠かせない概要・前提把握

営業担当に先方とのメールのやりとりをまるっと転送してもらい概要を把握して、話しのおおまかな流れを整理させてもらう。

営業「え、そんなに確認いりますか?」

といわれたけれど、そこでちょっと思ったことがある。

 

いきなり言われて「はいこれ訳して」ってかなりリスキー

前提なしで一文聞いて、はいこれ訳してって難しい。言語においてほぼ、直訳ってのはないのだ。(無理にしてもいいけど、本来の意味は伝わらない)だからいきなり連れていって、自分は喋れる分だけ喋ってわかんなくなったらお願いしますって放り投げは、結構なリスクである。

 

「商談を締結させること」が目的なら、前提のすり合わせは必須

直訳ならGoogle翻訳でも、通訳機器でも充分だでも訳は相手との商談を締結するためにいるのだから、語学力と同等にコミュニケーションも大切なのだ。

  • 一文英語にすること、と、
  • 背景を知っていて交渉に出ること、は

天と地ほど違う通訳はけして、翻訳コンニャクのようなものではない。その場をもっとよくするために、交渉の場はよりよいものにするために、前提知識・情報は欠かせない。「え、その場で英語にしてくれればいいだけなんだけど」と言われると「え??」となる。

海外交渉経験7年という経験も武器にやっているわけですから、もっと信じていいよ、ということでもあるのだが。(どうしてもそれがよいならそうするが、大抵はこの認識がズレているだけだったりする)

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そして、いよいよ相手の会社へ

相手の名前が「Deva(仮名)」さんということだけ知っていたので、受付を通り。

 

広い敷地内を通って、該当ビルの前で電話

わたし「I’m Naa from xx corporation, and I have an appoint with Deva..(xx会社のNaaですけど、デヴァさんとお約束をしているのですが)

相手「Oh, okay. Where are you now? (ああ、その件ですね。いまどこにいますか?)

わたし「In front of the entrance, and I can see Pepper-kun and some screens. (エントランスの前です、ペッパー君といくつかスクリーンがあるところです)

そして現れたのはいかにもインド人らしい、けどわりとほんわかした感じの男性。Devaさんではなかったらしい。

 

「Nice to meet you」と握手し、挨拶をしてミーティングルームへ

 

相手「Actually Devea is in other meeting, so please wait here for a while. And I’ll join, too.(デヴァはミーティング中でして、ちょっとお待ちを、わたしも参加しますので)

そしたら今度は、北欧っぽい爽やかな男性がはいってくる、老舗の日本企業なのにかなり国際色が強い

「Hi, thanks for your coming. (ご足労ありがとうございます)

「THanks for your time, so you are…. devea(こちらこそお時間をありがとうございます、あなたがデヴァさん…ですか?)

「Oh, no. I’m Elen. I’m joining this project, he is coming in few minnutes. (いえ、わたしはエレンです。彼は数分でくるかと)

プロジェクトメンバーがいることもしらんかったし、国籍もさまざまで不思議な気持ちだった。

 

テニスのようにポンポン進む、超生産的な会議スタイル

そして最初のインド人(らしき)彼を20倍くらい中東にしたボス級の圧力をもった人があらわれた。

と思ったら、それが本物のデヴァさんだった。

本当に数分で現れて、ささーっと、

  • 相手ニーズと
  • こちらのできることをすり合わせ、
  • これからの流れを確認して
  • 20分で終了

いっさいむだのない美しい会議でした。

テニスのようにポンポン、さっくり進む会議で、まさに生産的、個人的にはかなりの好感触。

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あとがき 今回の通訳で思ったこと

何も変化がないようにみえて、確実に次へ進んでいる

ちょっと自分にびっくりしたのが中東訛りにも対応できるようになっていたことだ。(週末Darlingと結構な時間をともにしているかもだけど)言語が違うから緊張するとか、そういうこともなくなった。いままではまさに社内での通訳だけだったけど、どうやら積み重なって「慣れて」きたらしい。

いままで色々やってきてよかった、商談の行方は開発チーム次第だけど、なんでも「とりあえずやってみる」って大切だなとおもった。TOEICリスニングが満点でも聞き取れないときだってある、これ以上さきに進みたいのなら、もう。勉強ではなくてやったことのないことにも挑戦をして、経験をつんでいくしかないのだ。チリも積もれば山となる。

 

チャンスがきたときに、「わたしできます」と飛び込めるか

完全に雑記だけど、あれっていうときにチャンス(というか機会)っていきなりくるもんで、そのときに「あ、いけますよー」っていえる状態を作っておくといいってこういうことか、とおもった。しばらく「ちーん」といった気分になっていたけど、また士気が(すこし)上がった気がする。通訳は奥深いし、頭も使うけど、ほんとにおもしろい仕事である。

最後にあくまでこれは一例であり、個人的な考察であり、社内通訳といっても分野・会社の方針・人間関係が違えば多様なパターンが存在することを述べておくとともに、「正解」はない何が良いも、悪いもないことを記して終わりにしたいとおもう。

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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。
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