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【アジア工場との取引き】クオリティを担保するためには粘り強い交渉が必須

2021/01/25
 
交渉 (イラストや)
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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。

海外取引というと難しく聞こえますが、シンプルにすると国を超えた「物の売買」や「データの売買」です。国内取引と違うのは、前者でいうと納品するまでが長くまたすぐに品質チェックできないこと後者でいうと相手が何を求めているのか本質を細かく見極め (母国語以外で) 伝える力が求められるといったところでしょうか。本日は中国・その他アジア工場との取引ユースケースを、トラブルを防ぐためのポイント云々に焦点をあてながらご紹介していきます。

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日本とは全く違うこんなところ

海外取引 トラブル

  • 品質チェックが甘い
  • 製造工程をいくつかすっとばす
  • わかりやすい嘘をつく (車が壊れて出荷できない、パソコンが壊れた… )
  • 連絡が時々つかなくなる 
  • 製品が中途半端でも、お金の支払いには厳しい

ちなみに中国製も今はしっかりしている」「工場によってはそんなこと全くない」といった意見もあるかと思いますが、そういうところには大抵「日本人の駐在員」が張り付いている「品質管理のベテラン」が逐一出張し検査を行っているかはたまた教育係がとてつもなくしっかりしているか、といったカラクリがあります。

 

受身厳禁、待っていても『良い製品』は出てこない

ぶたさん (イラストや)

展示会で出会った中国・アジア工場と契約をして、待っていたら「思った通りの製品」が手に入るなんてことは幻想でしかありません。大抵小さかれ大きかれ不備はあるものですから、満足いく完成品を手にするためには『先方との粘り強いやり取り』が不可欠となります。

日本は、比較的細かく厳しい国です。依頼された以上、『良い物をつくる』という前提で人が動きます。しかし海外ではそんな前提はありません。大袈裟にいうと「楽して作ってお金がもらえればラッキー (不良品でも気づかれなければオッケー)」といった工場もあるのです。これは良い悪い、ではなくその国の慣習です。

 

海外取引で「こうあるべき」は通用しない

海外取引

現実インドでは「騙される方が悪い」「皆迷惑をかけているのだから、自分も迷惑をかけていい」といった考えが普通だったりするのです。わかりやすいところだと、アメリカも「主張してなんぼ」の世界です。最終的に気づいてクレームをつけても「文句があったならなぜ言わなかった。言わなきゃわからない、言わなかったあなたが悪い」と言われることすらあるのです。つまり何がいいたいかというと、正論をふっかけても話し合いは平行線なのです。

だからこそ、海外取引では『契約書』がすべての要となります。

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海外取引の成否は『契約』で9割決まる

海外取引の成否は「契約」で9割決まる

長年、国際ビジネス法務に携わる弁護士が海外取引の成否は契約で9割決まるという本を出しています。タイトルからしても契約書の大切が伝わってきますね。そもそも英文契約書がなぜあんなに分厚かというと、国ごとに違う慣習によるトラブルを避けるためです。

 

契約はトラブルを避けるための、保身マニュアルでもある

契約書 イラストや

実際に読み込んでみるとわかると思うのですが、トラブルがあったときにどうするか、解約方法はどうするか、連絡方法はどうするか、連絡先や回数などびっくりするほど工数の殆どが記載されています。言い換えれば、契約書とは、「契約を相手に(なるべく希望通りに履行してもらえるよう必要事項を定めた) 自分の保身マニュアル」でもあるのです。

 

万が一争いになった場合

いさかい イラストや

もし相手と行き違いがあったり、製品に不良があったりトラブルとなった場合は「契約書」に立ち返りましょう。怒りに任せてメールなどを送ってしまっては取り返しがつきません。海外取引の契約書には、殆どの場合「契約解除」「争いがあった場合の対処」「商品不備の場合の対処」など、トラブルになったときの解決法が記載されています。リスクを最小限に抑えるために、冷静になって「対応してもらえること・もらえないこと」を箇条書きにして整理しましょう。

 

仲裁費用は高額になるので、なるべく揉めない

整理 イラストや

契約書とは取引のマニュアルのようなもので、逆にいえば契約書をおさえてしまえば大抵のトラブルは解決できるのです。書かれていない事項については、相手との交渉が必要となります。

第三者へ仲裁をお願いする場合、最低でも5万円 (月稼働2時間、以降1時間35,000円)と高額になってきます。まず今起きている出来事を把握してもらうことからはじまるので、2時間で解決するわけがなく、トータルの費用はかなりの額がかかるでしょう。(海外取引 弁護士様のサイト:https://www.mkikuchi-law.com/category/2103926.html)

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今回のお仕事のあとがき

整理 イラストや

今回のお仕事は、マレーシアおよび中国工場を経由しての三カ国貿易のお手伝いでした。しかし中国工場がメッキをかける過程をひとつ省いたために船便輸送中に錆が発生し、全量作り直しとなりました。今回の場合工場との取引は数年と長くに及んでいた (よくいえば慣れっこ) でしたので、

  • 工場の費用負担で全量返送 (シップバック)
  • 完了した時点で、品質管理部が出張して検査
  • 納期がずれたので、船便でなくエアで再出荷してもらう (輸送費工場負担)

という形で、おさまりました。もちろん基本契約に基づいたものですが、まさか工程をひとつサボられるとはこちらも想定外でしたので、輸送費は向こうに全額負担してもらいました。こちらとしてはPO (発注書)の金額をおさめ、なんとか納期内 (発売日前) に日本へ入荷できた次第です。

 

全て忘れてもこれだけは注意

注意 (イラストや)

「工場の過失の場合は、全量作り直し」といったことが契約書になければもっと揉めていたとおもいます。安かろう悪かろうはいつの時代も変わりません、安いには安いなりの理由があります。だからこそ海外工場などと組む場合は、国内取引以上に気をつけなかればならないのです。

具体的には、契約書はきちんと読んで必要事項が盛り込めているか締結前に必ず確認しましょう。海外取引のクセがありますので、ただ日本語訳するだけでは危険です。Google翻訳は使わずケチらず、法務に英語話者 (中国語話者)をいれるか外注でも構いません。

電話する (イラストや)

翻訳を頼む場合は、必ず「法律」に精通している会社か人物にお願いしましょう。逆を返せば、ここをおさえて、我慢強く品質管理やチェックを徹底していけば、気持ちよくwinwinな取引ができ、良いものが作れる可能性は充分にあるのです。海外との取引で「なんかうまくいかないなあ」とおもったときはぜひ契約書を読み、忍耐強く交渉をかさねてみてください。

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フリーランス通訳者。バンクーバー留学後、現地貿易会社にてインターン。貿易職を5年、世界30カ国以上の取引に携わる。通信会社にて社内通訳・翻訳を2年、ビックデータ関連の海外取引に携わる。国際交流のイベンター、司会業など複数の職を持ち英会話スクールのカウンセラーを併任。2020年に独立。
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