【TOEIC信者になってはいけない】稼げる英語と、稼げない英語の違い

最近はオンライン英会話やアプリ学習など、英語を安価で学べるようになってきました。「毎日DMM英会話をやっています」「TOEIC900を目指しています」周りからはそんな声も聞こえてきます。
でも果たしてその努力はいつ実を結ぶのか、費やした時間はどんな未来を作り出してくれるのか。「英語を勉強すること」=「できれば人生は変わる」と安易に結び付けられていることが、あまりにも多い気がしてならないのです。というわけでこの記事では、英語をただの勉強で終わらせない「スキルを価値(仕事)にかえる勉強方法」を考察していきます。
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① 最近の翻訳機は、TOEIC960点レベルの人工知能が文章をつくる
最新の翻訳機「みらい翻訳」は、人間が作るような自然な翻訳をクリック一つで作り出します。TOEIC960点レベルと同等の力をもったAIの台頭、まったくすごい時代になったものです。(2020年1月現在)
(引用元:https://miraitranslate.com/uploads/2019/09/MiraiTranslator_Pressrelease_MT_Legal_20190903.pdf)
ちなみに無料のGoogle先生で翻訳をかけるとこうなります。少したどたどしい文章ではありますが、年々進化しており下訳程度には活躍してくれる優れものです。
(Google翻訳画面 一例)
何が言いたいかというと、AIが台頭してきており「英語ができること」が価値だった時代が過去のものになりつつあるのです。もちろんその分国際化が進んでいて、海外企業との合併や論文の読解で「英語を読める」ことが武器になる場所が増えているのもまた現実です。ただ「英語ができるだけ」で価値となった時代はとうに過ぎ去っているのです。
②「わき目もふらず目標へ猛進」は、一番ラクな道
何かに向かって頑張っているときって楽しいですし、他のことを考えなくていいのである意味楽なんです。でも「これを頑張った先に、輝かしい未来がある」と思って何年も勉強に時間を費やし立派なスキルを身につけたのに、使い方がわからず宝の持ち腐れになってしまう人が多々いるのもまた事実なのです。
ダライ・ラマ法王などの通訳を務めていらっしゃる、関谷英里子さんは自身の著書「同時通訳者の頭の中」でこんなことをおっしゃっています。
すでに会社が求めているスコアは達成しているにもかかわらず、さらなる高得点を目指して、「スコアアップ」のための勉強に熱中する人が結構います。会社では700点が要求スコアだったのにもかかわらず、700点の次は780点、それを達成したら800点、ひいては900点を目指し、さらに950点、そして990点満点..と限りなくハイスコアを目指す「TOEIC道」にはまりこんでしまっている印象をうけます。(中略)英語学習の本来の目的は、実践で使える英語のコミュニケーションを身につけるということです。昇進、昇給などに必要な目標スコアを達成したら、TOEICは卒業して、本来の英語コミュニケーション力を高める英語に切り替えましょう。
(著書:同時通訳者の頭の中 より一部抜粋)
TOEICは英語のレベルをはかる指標ではありますが、「スコアがある人ほど、(仕事で使う)英語ができる」というわけではありません。仕事で使える英語というのは「自分のスキルをお金に変えられる」ことでもあります。もし稼ぎの一部にしたい、英語をつかって生計を立てて生きたい、と思うのであれば、必要ラインを超えたらTOEICは卒業して、「どのスキルを足したら、お金にかえられるのか」をしっかり考えながら試行錯誤していく必要があるのです。
③ お金になる英語力と、お金にならない英語力
たまに新卒学生の進路相談をさせていただく機会があるのですが、「海外インターンは必要ですか」「どうしたら英語の仕事につけますか」といった質問を多く耳にします。まず大前提として覚えておきたいのは「市場でニーズが高いのに、出来る人が少ないポジションほど稼ぎは大きくなる」ということです。だから出来る人が比較的多い「翻訳」は比較的やすく、A4ペーパー1枚で2,500円~5,000円といわれています。
ちなみに翻訳は、下訳をしたあと、誤字脱字がないよう神経を研ぎ澄ませて校閲まで終える必要があるので、本当にがんばっても1日はかかる大変な仕事です。丸1日で5,000円と考えると少し安い気がしませんか。なぜ安いかというと「市場でニーズが高いけど、出来るひとも多い」ために、必然的に対価が安くなってしまうのです。
一方「弁護士資格をもっていて、リーガルチェックもでき翻訳を校閲する」ことができる人は、母数が少ないため報酬が高くなります。それはその人が”高いお金を払ってでも、お願いする価値を持っている“からです。
つまりただ勉強を続けるだけでは、この「ニーズがあって、希少価値が高いゾーン」には入れないのです。
もし本当に語学を使って稼いでいきたいのであれば「英語がペラペラで、意図をカチッとつたえられる」「人の心を掴む言葉がかける」「ニッチなのに、一定の研究機関から求められ続ける分野に精通している」など、あれかな、これかなといろんな道を辿り、「稼げる武器」を探し続け身につけていく必要があるのです。
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まとめ
というわけで、「英語の勉強」に盲信するのがリスキーな理由3つ
- 優秀な翻訳機は、人間をどんどん追い越していく
- 何も考えずにただ盲目に勉強してしまうと、本当に必要なスキルが身につかない
- 意図して勉強方法を模索していかないと、「ただの趣味」で終わってしまう
でした。ちなみにこの記事はけして「英語を勉強すること」を否定するわけでも、ムダだといっているわけでもありません。ただ語学で生計をたてている身として、「翻訳機の台頭」はやはり焦るものがありますし、ただ英語学習能力が高いAIを競っても仕方がないわけで。「優れるな、異なれ」という言葉のとおり、英語の出来、不出来の延長線上でたたかっていてはイタチごっこだとおもうのです。
本当に続けていきたいのなら、「この人にお願いしたい」という信頼や、「この人の文章がすきだ」という自分ならではの武器が、どうしても必要になってくる。それに今のスキルにあぐらをかいていては、時代や次世代にもどんどん置いてかれるわけで、たとえ望んでいたポジションについても、日々勉強、アップデートやメンテナンス、そして「これから何が必要かを考えていくこと」が大切なのだな、とひしひしと感じるのでした。
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