必ず商談を着地させる3つの戦術を大公開|海外交渉のコツ

はじめまして、フリーランス通訳者のNaaです。
海外取引に本格的に携わり9年目になりました。自身帰国子女でも、生まれながらのバイリガルでもないです。普通に田舎で生まれて日本で育ち、8ヶ月の留学の後中小企業、大企業で貿易、コンサルを経験するうち、交渉方法や海外取引を覚えました。
そして、2018年からはその知識と経験を元に色んな会議通訳に入るようになりました。今日は私が使っている「緊張しないで会議をばちっと決めるコツ」を紹介します。
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Contents
前日までに絶対に調べるべき3つのこと
会議通訳に出席が決まったからといって、当日いきなり現れるのはリスクです。
必ず、前日までに、
- 会議の背景
- 会議の目的
- 自社の希望着地
の3つを会議の進行役(もしくはプロジェクトリーダー)に確認しましょう。これは会議の道標となり、これがあるだけで会議の難易度が半分以下にさがります。これだけだとざっくりしているので、重要なポイントを説明していきますね。
① 会議に至った背景
ここで掴みたいのは、なぜこの会議が行われるに至ったか、です。例えば自社商品の、ITソリューションをアメリカのB社に売る場合、抑えたいポイントは下記の通りです。
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当日の資料も、可能ならシェアしてもらいましょう。事前に目を通しておくことで出てきそうな単語、表現も学ぶことができます。
② 会議を行う目的
メールでなく、あえて対面(TV会議を含む)会議を行うには理由があります。希望に沿った場の作りを手伝えるよう目的を把握しましょう。先ほどのケースでいくと。
- 直接会議を行う意図(提案に対する感触を確かめたい)
- もっと詳しく説明したい、または聞きたい
- 相手にソリューションを売りたい
こういった意図が裏にあるはずです。目的の把握を徹底することで、自分も自然に溶け込めるようになるでしょう。(いきなりくるとチグハグになりますからね)
③ 希望着地(最重要)
ここが最重要ポイントです。着地をいくつか頭に浮かべておくと、相手の反応を見ながら柔軟に対応することができます。具体的には下記のような部分です。
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着地をいくつか出しておくと、相手の反応を見ながら柔軟に対応することができるだけでなく、またこちら側の希望着地点を聞いておくことで、さりげなく誘導することもできるでしょう。
例えばさっきの「ITソリューション」パッケージ営業の会議だと、
- 絶対相手の会社で、大きな効果を出すので絶対売りたい、のか、
- 世界に見ない新しいソリューションなので、相手が興味を持つか否か知りたい、のか
- お互いの意見をすり合わせて、提供できるものがあるか確かめたい、のか。
でアプローチが変わって来ます。
着地といっても「商談取りきりましょう」「いい返事もらいましょう」という曖昧なものでなく、そこまでかってくらい具体的に言葉にして理解しておくことが大切です。最低の着地ライン「商品についてのフィードバックをもらう」なども決めておくといいですね。せっかく会議をやるのですから、「なんとなくおわった」だけはプロとして避けたいですね。
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企業・社内通訳は、コンサル通訳に近い
派遣で企業に長くつく通訳はちょっと特殊で、司会進行(場まわし)までこっちにまわってくるケースがあります。(いわゆる英語に関するなんでも屋さんのなかの業務に、通訳もはいっているかんじですね)社内事情、傾向を掴んでいるからか、コンサル(物事の要点をまとめながら)通訳をしている感覚が強いです。
通訳の本音、なるべく「主語と述語」をいってほしい
隣の営業部にいた通訳さんが「やってみたけどわからなすぎて一緒にいてほしい」とのことで、某国と都市再生の会議に参加したことがあります。そこでは、営業部の方はある程度自分でできるところまで話されることが多いので、「必要なときだけフォローしてね」といった感じでした。
が、これがすごい難しかったんですね。何でかって、会話のなかにとにかく主語と述語がない。
「あ、3日以内にそれやります!」
といわれても、ぱっと言い換えられないんですよ、だって、
「He will do in within 3 days」と言えないのは、Doに相当する出来事がいっぱいあるから。
- 書類を提出するのか
- NDAにサインするのか
- 電話するのか
「だれがじゃ~~なにをじゃ~~~」となるんですね。ある意味、全てを訳す会議のほうが楽で、ときどきフォローするほうが大変なのかもしれないです。主語、述語をいってくれる(またはわかりやすい)会議は大変ありがたいです。
まとめ
というわけで、通訳をするとき・海外交渉で絶対に勝つためにしたい3つのこと、
- ① 事前準備をできる限りしておく (資料読解・会議に至るまでの背景)
- ② 会議を行う目的を把握 (具体的に話し合いたいポイントを確認しておく)
- ③ 希望着地を把握(次のステップまで意識して、希望の結果を得られるよう最大限努力)
でした。
あとがきにかえて
昔から英語は好きでした、公式を知れば知るほど解ける暗号みたいなものだとおもったのです。でもねえ、実際留学したら散々で仕事では帰国子女が疎ましくて。通訳者は手の届かないものだと思って、目標からも外していました。そして普通に、「むりだったね」といって人生を終えるものだとおもっていました。
でも、それでも、無理だとしても、「もっとマシな自分になりたい」と積み重ねた日々が、絶対に無理だと思った場所に、それも想像以上の場所に連れていってくれた。
いまは普段じゃ絶対会えないような人に会える会議が本当に楽しいのです。そして、今まで頑張ってきたことが数珠のように繋がっていく感じが、本当に幸せだなとおもいます。いまやっていることが5年後の自分を作ります、いつもそうです。やりたいことがあるなら、悔しいなら、ぜひその気持ちを先につなげてくださいね。
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